地上付近の風【気象予報士への道】
昨日の記事に一つ補足をします。
風が吹くことに影響を与える要素を2つ紹介しました。風の原動力になる気圧傾度力、風の方向を曲げるコリオリ力です。
この2つを理解していれば、
- 風は等圧線に沿うように吹く
- 風は高気圧から時計回りで吹き出し、低気圧に反時計回りで吹き込んでいく
という風の特徴を説明できる、とのことでしたが、要素をもう一つ。
風の特徴の2つ目、「風は高気圧から時計回りで吹き出し、低気圧に反時計回りで吹き込んでいく」というのは地上付近での風の挙動になります。つまり、上空ではその限りではないというわけですが、その話はまた別の機会に。
地上付近の話をしているということは、風は地表面に接触しながら吹いている。地表面に接しているということは、風が吹いている時、風に対して摩擦力が働いている。
転がしたボールが永遠に転がり続けることはなく、いつかは止まりますよね。それもボールに対して摩擦力が働いていることによるものです。
摩擦力のせいでボールが止まるということは、ボールが動いている方向とは逆方向に摩擦力が働いています。風についても同様で、風が吹く方向とは逆方向に摩擦力が働きます。
これで、風が吹くことに影響を与える要因が3つに増えました。
風の原動力となる気圧傾度力が働いて、
風の方向を曲げるコリオリ力が働いて、
風とは逆方向に働く摩擦力が働いて、
この3つが影響しあって地上の風が吹いています。