雲が生まれる前の話【気象予報士への道】

上昇気流のきっかけ


インプットした情報をすぐにアウトプットする勉強法をお試し中です。今まではアウトプットというと、問題演習をすることばかりと思っていました。今ここに書いているように、用語そのものについてじっくりと解釈をしていくようなアウトプットはしたことがなかったので、少し新鮮な感覚です。

 

今日は、雲が生まれる前の段階、空気塊の上昇について。

大気の安定・不安定の記事にて、空気が何らかの作用で上昇した時、その空気がさらに上昇するような状態を不安定、下降してくるような状態を安定という話をしました。

その、空気を上昇させる何らかの作用とは何なのか?という疑問を最後に述べていたのですが、答えが思ったよりすぐ得られましたので、早速まとめていきます。

 

①下層収束

下層というのは地上と考えてよいです。収束というのは、ある地点に風が吹き込んでくること。その集まってきた風はどこへ逃げていくのか。地上ですから、下には進めません。それでは上にいきましょう。ということで、地上で収束した風が上に逃げていくので、上昇気流が発生します。

下層収束が生じた場所の大気の状態が不安定であれば、上昇気流の発生をきっかけに、空気がどんどん上昇していき、の発生につながります。非常に不安定な場合は積乱雲にまで発達するかもしれません。

具体的にいうと、低気圧がこの代表格でしょうか。「反時計回りに風が吹き込んできて上昇気流が発生する」、という低気圧の性質と一致しています。雲が発生して天気が悪くなることにも当てはまりますね。

今年の3月3日の関東地方の南側で発生した低気圧もなんかも、これに当てはまると思います。等圧線のうねりにより、風が収束する場所ができて、低気圧の発生に至ったのではないでしょうか。

②地形

これは目に見えて分かりやすい。山があれば、風は山を避けて回り込むか、山の斜面に沿って上昇していきます。海から水蒸気をたくさん受け取ってきた空気が上昇するので、山の手前では雲が発生して雨が降る。そして、フェーン現象により山の向こう側には暖かく乾いた空気が吹き下ろす。

ところで、どのくらいの高さがあれば、地形による上昇気流が発生したというのでしょうか。と表現される程度の高低差であれば、上昇気流とは言わなさそう。だと上昇気流が発生するという表現に違和感はないかな。雲が発生するか否か、とか?

③対流

対流というのは、空気が垂直方向に移動することです。水平方向に移動することは移流だったような気がします。

地面が太陽光で暖められると、地上付近の空気も暖かくなります。暖かい空気は軽いので、上昇気流が発生。ただ、これに関しては、海風(シーブリーズ)として風が循環することになりそうなので、この上昇気流のせいで積乱雲が発生して天気が悪くなるということはないのではないかと思います。

④前線

前線の定義は、暖気と寒気の境界面が地上に接している部分、というようなニュアンスだったと思います。そのうち、暖気の勢力が強いものを温暖前線、寒気の勢力が強いものを寒冷前線、両者の勢力が均衡しているものを停滞前線といいます。

暖気と寒気がぶつかっているということは、暖かい空気は軽いので、暖かい空気が冷たい空気の上を上昇していきます。前線ということからわかるように、この上昇気流によって発生する雲はをもたらすものになります。