2019年5月2日(木)12時【実況天気図】

2019年5月2日の実況天気図

本日16時よりNHKラジオ第2にて放送された、気象通報を元に描いた、本日12時の実況天気図です。

気象通報では、16時から20分間にわたって、各地の観測データや、それを元にした等圧線や気圧配置の情報がひたすら述べられていきます。

その情報を天気図用紙に書きこんだり、メモしたりしながら聞いていき、最終的には上の画像のような状態に仕上げるのですが、なんとも難しいです。

気象通報を聞いて天気図を描くことは4月から始めたのですが、いまだに高気圧や低気圧を聞き間違えたり聞き逃したり(上の画像の白くなっている部分は修正した痕跡です)、等圧線の引き方に悩んだり。


ちなみに、気象通報の原稿は、当日18時10分頃に気象庁HPにて公開されています。

以下、原稿の原文ママ


気象庁予報部発表の5月2日正午の気象通報です。
初めに今日正午の各地の天気は、
石 垣 島 北東 風力 4 くもり 15hPa 26度
那 覇 北 風力 3 くもり 15hPa 24度
南 大 東 島 北 風力 3 くもり 13hPa 25度

名 瀬 北 風力 3 くもり 14hPa 23度
鹿 児 島 東 風力 2 晴れ 12hPa 23度
福 江 西北西 風力 3 晴れ 14hPa 20度

厳 原 南東 風力 2 晴れ 12hPa 21度
足 摺 岬 南南西 風力 1 晴れ 11hPa 22度
室 戸 岬 東北東 風力 3 晴れ 11hPa 19度

松 山 南西 風力 3 快晴 12hPa 21度
浜 田 西 風力 2 晴れ 12hPa 19度
西 郷 南東 風力 3 晴れ 11hPa 18度

大 阪 西北西 風力 2 晴れ 10hPa 22度
潮 岬 西南西 風力 3 晴れ 09hPa 21度
八 丈 島 西 風力 4 晴れ 08hPa 21度

大 島 南南西 風力 4 晴れ 05hPa 21度
御 前 崎 西 風力 5 晴れ 05hPa 23度
銚 子 南南西 風力 4 くもり 06hPa 18度

前 橋 北北西 風力 3 晴れ 05hPa 22度
小 名 浜 西北西 風力 4 晴れ 05hPa 22度
輪 島 西南西 風力 4 晴れ 11hPa 17度

相 川 西南西 風力 4 晴れ 10hPa 15度
仙 台 西 風力 4 晴れ 04hPa 18度
宮 古 西 風力 3 晴れ 1000hPa 16度

秋 田 西南西 風力 6 くもり 05hPa 14度
函 館 西 風力 4 にわか雨 997hPa 9度

浦 河 西 風力 4 くもり 998hPa 9度
根 室 南西 風力 4 くもり 991hPa 16度
稚 内 東北東 風力 3 にわか雨 995hPa 7度

ポロナイスク 南南西 風力 3 晴れ 996hPa 6度
セベロクリリス
東南東 風力 2 くもり 10hPa 5度

引続き今日5月2日正午の天気をお伝えしています
ハバロフスク 北北東 風力 6 晴れ 01hPa 15度
ルドナヤプリスタニ
西南西 風力 4 くもり 997hPa 11度
ウラジオストク南西 風力 3 晴れ 03hPa 11度

ソ ウ ル 西北西 風力 2 快晴 12hPa 22度
ウルルン島 南 風力 2 快晴 11hPa 18度
プ サ ン 南南西 風力 3 快晴 12hPa 19度

モ ッ ポ 北北西 風力 3 快晴 14hPa 18度
チェジュ島 西 風力 3 快晴 15hPa 19度
台 北 東南東 風力 3 雨 15hPa 20度

恒 春 北東 風力 4 くもり 12hPa 26度
長 春 北 風力 4 晴れ 10hPa 19度
北 京 南 風力 2 快晴 14hPa 27度

大 連 北 風力 2 快晴 12hPa 24度
青 島 北西 風力 2 快晴 16hPa 25度
上 海 東 風力 2 晴れ 19hPa 23度

武 漢 東北東 風力 2 晴れ 18hPa 23度
ア モ イ 北北東 風力 3 くもり 16hPa 20度
香 港 東北東 風力 3 くもり 14hPa 24度

バ ス コ 北東 風力 3 雨 12hPa 23度
マ ニ ラ 西 風力 2 晴れ 11hPa 33度
父 島 南南東 風力 3 くもり 13hPa 26度

南 鳥 島 東南東 風力 3 天気不明 18hPa 30度
富 士 山 入電なし


次に今日5月2日正午の船舶の報告をお知らせします
南シナ海 の 北緯 17度 東経 117度 南南西 風力 3
(天気) 晴れ (気圧) 14hPa

南シナ海 の 北緯 18度 東経 118度 南 風力 1
(天気) 晴れ (気圧) 不明

東シナ海 の 北緯 32度 東経 123度 北 風力 3
(天気) くもり (気圧) 18hPa

本州南方 の 北緯 24度 東経 133度 南西 風力 3
(天気) 晴れ (気圧) 12hPa

四国沖 の 北緯 31度 東経 134度 北北西 風力 5
(天気) 晴れ (気圧) 不明

本州南方 の 北緯 27度 東経 135度 北北西 風力 4
(天気) くもり (気圧) 不明

(5月2日正午)
本州南方 の 北緯 24度 東経 136度 南南西 風力 5
(天気) 晴れ (気圧) 12hPa

鳥島近海 の 北緯 30度 東経 143度 風向・風力 不明
(天気) 霧 (気圧) 11hPa

 

つづいて漁業気象です。
千島近海の北緯45度、東経150度には、986hPaの
発達中の低気圧があって、北東へ毎時45キロで進んでいます。
中心から閉塞前線が北緯44度、東経152度を通って、
北緯44度、東経153度に達し、ここから温暖前線が北緯40度、
東経157度を通って、北緯33度、東経160度にのび、
寒冷前線が北緯38度、東経150度、北緯35度、東経146度、
北緯30度、東経141度、北緯28度、東経138度を通って、
北緯24度、東経132度に達し、さらに停滞前線となって
北緯20度、東経122度を通って、北緯20度、東経116度に
のびています。中心の南東側2000キロ以内と北西側950キロ
以内では、今後24時間以内は15から23メートルの強い風が
吹く見込みです。
オホーツク海日本海南シナ海北部では、所々濃い霧のため
見通しが悪くなっています。
小笠原諸島からアリューシャンの南にかけての北緯36度、
東経144度、(42、141)(46、152)(55、162)
(60、163)(60、180)(40、180)(40、
170)(27、164)(26、140)(32、139)及び
元の北緯36度、東経144度の各点で囲まれた海域では、所々
濃い霧のため見通しが悪くなっています。
北海道の北緯43度、東経140度には、994hPaの
低気圧があって、東へ20キロで進んでいます。
ベーリング海の北緯58度、東経172度には、1004
hPaの低気圧があって、ほとんど停滞しています。
華北の北緯34度、東経111度には、1018hPaの
高気圧があって、東南東へ20キロで移動しています。
華中の北緯31度、東経121度には、1018hPaの
高気圧があって、東南東へ20キロで移動しています。
中国東北区の北緯47度、東経124度には、1012hPaの
高気圧があって、ほとんど停滞しています。
ミッドウェー諸島の北緯34度、東経171度には、1028
hPaの高気圧があって、東南東へ30キロで移動しています。
日本付近を通る1012hPaの等圧線は、北緯35度、
東経104度、(43、110)(44、116)(39、122)
(39、127)(34、131)(26、135)
(27、140)(33、150)(38、158)
(42、160)(55、159)の各点を通っています。

勉強計画④【気象予報士への道】

勉強のスケジューリング


春分の日が過ぎたあたりから、朝の準備をしていると、部屋に真っ赤な朝日が差し込んでくるようになりました(6時頃?)。日の出の早さを感じます。調べてみると、本日2019年3月30日の、札幌の日の出時刻は5:20でした。

夏はカーテンを開けて寝て、太陽を目覚ましにするのが好きなのですが、今年もそうすることになりそうです。

先日、学科一般の中で最重量級のボリュームを持つであろう熱力学と力学のインプットが終了したということで、勉強計画の見直しを行いました。

分野ごとの所要日数

まずは分野ごとに所要日数を割り当てました。デッドラインを意識することで、8月の試験に間に合わせるようにするためです。最低でも2,3時間は天気の勉強のために確保できる日のことを、1日として想定しています。

学科一般

地球大気:2日

大気の熱力学:(1か月強)

降水過程:1日

大気における放射:2日

大気の力学:(1週間弱)

大気の大規模な運動:(2日)

中小規模の現象:2日

台風:1日

中層大気の大規模な運動:1日

気候変動と地球環境:1日

気象法規:3日

→残り所要日数13日

 

学科専門 

地上気象観測:1日

海上気象観測:1日

気象レーダー観測:1日

高層気象観測:1日

気象衛星観測:2日

数値予報:3日(理論系?)

短期予報・週間天気予報・長期予報:1日

天気図:1日

気圧配置:1日

天気翻訳と確率予報:1日

降水短時間予報:1日

防災気象情報:1日

気象災害:1日

予報精度の評価:1日

→残り所要日数17日

 

実技

各種図の見方:5日

各種解析:3日

気象情報:2日

各気象現象:12日

→残り所要日数22日

 

いずれも、目次を見てからパラパラとめくってみて、このくらいでいけるだろう、というアバウトな設定です。1か月勉強をしてきた上での感覚頼りなので、ある程度アテになるはず。

数値予報に関しては、理論系寄りな雰囲気が漂っていたので、他の分野と比べると、ページ数に対しての所要日数が多くなっています。

一通りの勉強が終わるのは6月頃

この所要日数を元にして、カレンダーに勉強計画を打ちこんでみました。

4月

5月

6月
とは言っても、今は年度末なので、このスケジュールの通りに勉強時間を確保できるとは思っていません。未確定事項が多すぎるので、適宜調整していきます。
多少の遅れを見込んだ上で、6月中には一通り終えられそうです。

また、土日を中心に、空白になっている日がありますが、これらは確定している予定から考えて、勉強時間を2,3時間確保するのが厳しいであろう日です。なので、問題演習やブログでのアウトプットを短時間で行うだけになります。

傾度風【気象予報士への道】

曲がると遠心力が働く
傾度風のCHECK POINT

さて、地衡風の話では、考慮した力は気圧傾度力コリオリ力の2つでした。地衡風を考えるとき、等圧線(等高線)はほぼ平行でしたが、これが曲がっている場合に吹いている風は傾度風と呼ばれます。

一般に、高気圧や低気圧を想像したとき、高気圧や低気圧の中心を囲むように円形の等圧線が広がっている状態を思い浮かべるのではないでしょうか。そのような状態の等圧線を指して”曲がっている”という表現をしました。

地衡風のように気圧傾度力コリオリ力が釣り合っている時は、等圧線に沿って風が吹きます。しかし、等圧線が曲がっているとしたら、さらに遠心力がかかってくることになります。

ということで、気圧傾度力コリオリ力に遠心力を合わせた3つの力が釣り合っている時に吹く風が傾度風です。地衡風との違いは、遠心力が関わってくること、等圧線(等高線)が曲がっていることの2点になります。

図を見て力のつり合い関係を確認します。

地衡風

地衡風の時の力のつり合い関係は、

コリオリ力気圧傾度力

 

 

高気圧性の傾度風

高気圧性の傾度風の時の力のつり合い関係は、

コリオリ力気圧傾度力+遠心力

 

 

低気圧性の傾度風

低気圧性の傾度風の時の力のつり合い関係は、

コリオリ力+遠心力=気圧傾度力

すなわち、

コリオリ力気圧傾度力ー遠心力

 



さて、3パターンの力のつり合い見てきましたが、整理するとこんな感じ。

    (地衡風) コリオリ力気圧傾度力

(高気圧性傾度風) コリオリ力気圧傾度力 + 遠心力

(低気圧性傾度風) コリオリ力気圧傾度力 ー 遠心力

コリオリ力の大きさは、同じ緯度であれば風の強さに依存します。つまり、この3式の意味するところは、右辺が大きければ風は強く、右辺が小さければ風は弱いということになります。

 

つまり、気圧傾度力は気圧差に依存しますから、同じ気圧差、同じ緯度であれば、風の強さは

高気圧性の傾度風 > 地衡風 > 低気圧性の傾度風

の順になります。

地衡風でロマンを感じた【気象予報士への道】

地衡風deロマン
地衡風のCHECK POINT

地衡風気圧傾度力コリオリ力が等しいとき、等圧線と並行に吹く風

空気の挙動()は、空気にかかる力とその大きさによって変化します。そして、それに関した地上付近の風と上空の風を考えるにあたっての違いは、摩擦力の有無です。

地上付近の風は地表面と空気との間で摩擦が発生し、空気が動く方向とは反対の方向に摩擦力が作用します。対して、上空の風は地表面との間で発生する摩擦の影響をほとんど受けないため、摩擦力を無視することができます。

それでは、上空の風を考える際には、空気にかかる力としてどのようなものが挙がってくるのか。

まずは、風の原動力である気圧傾度力。そして、地球が自転していることから生じるコリオリ力

この2つの力が釣り合って吹く風を地衡風といいます。実際の天気図で見てみます。

地衡風

本日2019年3月27日9時の300hPa面の高層天気図です。上空の風ということで高層天気図を用いているのですが、この高層天気図では等圧線の代わりに等高線が引かれています。(参考記事:いろいろな天気図を知ろう)

それでは高気圧と低気圧はどうやって見つければいいの?という話ですが、高度が高い=気圧が高いと考えてよいです。(実質等圧線と解釈してもよいのでは?ということで、私は等高線を等圧線として見ています。果たしてそんなことをしてよいのかはわかりませんが、後々勉強を進めていく中で問題がありそうだったら改めることにします。)なので、上の天気図では、南に高気圧、北に低気圧があることになります。

そのため、気圧傾度力に向かって働きます。コリオリ力は風の進行方向に対して右向きに働きます。つまり、初めは向きに働くことになりますが、これでは気圧傾度力コリオリ力釣り合いません

2つの力が釣り合うのは、互いに反対方向に同じ大きさで働いている時だけです。そして、その2つの力が釣り合っている状態が上の天気図に示してあります。このとき、地衡風は東向き、すなわち等圧線(等高線)と並行に吹いています。

地衡風から見て左手が低圧側

そして、ここで見方を変えてみます。ここまでは天気図を見て考えていました。つまり、上空から地球を俯瞰している状態です。

そこで、地衡風の立場からこの状況を確認。上の天気図より、地衡風から見ると左側に低気圧、右側に高気圧があることがわかります。つまり、風の進行方向に対して左手に低圧側があるということになります。

一応、地衡風は上空で吹く風なのですが、この法則は地上の風においても適用できます。もちろん地衡風のように直角90℃の向きとはなりませんが、進行方向に対して左の方に低気圧の中心があると考えてよいでしょう。

ということは、北風が吹いていたら風はに向かって進んでいるということなので、西側に低気圧の中心があることがわかります。わざわざ天気図を持ち出したりせずとも低気圧の位置がわかるなんて、少しばかりロマン感じます…。

この点についてはもう少しいろいろな場面において考察していけば、現地で風を感じてその後の天気や風を予測することが容易になりそうです。

また、この、進行方向に対して左手に低圧側があるというのは、北半球での話です。コリオリ力によって風の方向が曲げられているのですから当然ですね。

仮に、上の天気図が南半球のものであるとしたら、地衡風は西向きに吹く(等圧線と並行に吹くことには変わりありません)ため、風の進行方向に対して右手に低圧側、左手に高圧側がくることになります。

勉強計画③【気象予報士への道】

計画の見直しを行います。


なんとなく、今日の勉強成果の報告をしてみます。

  • 力学のインプット終了
  • 力学の問題演習5題

それでは、今までの勉強方針を交えながらこれからの話を。

 

優先順位は理論系→暗記系

気象予報士試験の対策勉強を始めるにあたって、まずはどのような内容・分野があるのか、ということを試験対策本の目次を読んで確認しました。

気象予報士試験は一般知識専門知識実技の3部門に分かれており、気象現象を理解するのに必要なのは一つ目の一般知識であるということを把握し、一般知識から学習を始めることに決定。

さらに、一般知識の中で何から勉強していくかということを決めるにあたって、分野の重要度を順位付けしました。とは言っても、そんなことができるのは既に内容を理解していて、試験で何が問われるのか、ということをわかっている人だけです。何もわからない初学者が重要度を把握する方法は、ページ数を見ること。

ページ数が多いほど、その内容は重要である可能性が高いです。そうやって何となく当たりをつけてからページをパラパラとめくってみて、優先順位をつけていきます。

そうした結果、私はまず熱力学と力学の2分野から勉強を始めることにしました。

現在は熱力学と力学のインプットを終了

熱力学力学は、一般知識を理論系と暗記系に分けるとしたら理論系に分類されます。残りの分野はすべて暗記系としました。つまり、理論系を先に勉強して、暗記系を後回しとしたのですが、そのメリットは2つ。

  • 理論系の方が記憶に残りやすい
  • 理論系の内容が暗記系の勉強の助けになることがある

理論系も暗記系も結局はどちらも理解したうえで覚える必要があるのですが、理論系知識と知識のつながりを覚えるものなので、文脈を覚えていれば何とかなります。一方で、暗記系名称やその定義を覚えることが肝要になってくるので、割と神経質に暗記しなければいけません。

そう意味で、理論系の方が記憶に残りやすいと書きました。また、理論系で覚えた文脈が、暗記系の知識と知識をつなげてくれる場合があるので、そういったパターンを指し示したのが2つ目のメリットになります。

 

というわけで、私が勝手に理論系と分類した熱力学と力学の勉強を先に取り組むことにしましたが、インプットに関してはとりあえず今日で終了しました。勉強を始めたのはおそらく2月中旬くらいからなので、1か月と10日くらいかかりました。インプットだけで。ここでいうインプットというのは、本を読んで理解して、名称はなんとなく暗記、文脈を理解して暗記した、という意味です。

これからアウトプット(問題演習、一問一答)もしていかなければならないし、他の分野の暗記、専門知識と実技の勉強もしなければなりません。理論系とはいえ少しダラダラやりすぎました。内訳としては熱力学に1か月強、力学に1週間弱くらいです。早くも熱力学が苦手分野になりそうな傾向が窺えますが、執拗にアウトプットを繰り返していけば量でごり押しできるはず。

4月に一般知識、5月に専門知識、6月に実技

さて、計画性のなさが私の勉強の仕方の欠点であるとわかったので、明日はまず勉強計画を立てることから始めようと思います。

とりあえず、大雑把に今考える計画は、

4月→一般知識の全分野のインプットを終了、同時並行でインプットを終えた分野のアウトプットも行う

5月→専門知識のインプットを終了、一般知識のアウトプットを一通り終え、専門知識のアウトプットに入る

6月→実技のインプットを終了(アウトプット同時並行になるかも?)、専門知識のアウトプットを一通り終える

7,8月→知識の穴を埋めに行く、できれば模擬試験的なものを受けて穴をチェックしたい

概ねこんな感じです。なかなか忙しくなりそうです。

地上付近の風【気象予報士への道】

地上では三つ巴


昨日の記事に一つ補足をします。

風が吹くことに影響を与える要素を2つ紹介しました。風の原動力になる気圧傾度力、風の方向を曲げるコリオリ力です。

この2つを理解していれば、

  • 風は等圧線に沿うように吹く
  • 風は高気圧から時計回りで吹き出し、低気圧に反時計回りで吹き込んでいく

という風の特徴を説明できる、とのことでしたが、要素をもう一つ。

 

風の特徴の2つ目、「風は高気圧から時計回りで吹き出し、低気圧に反時計回りで吹き込んでいく」というのは地上付近での風の挙動になります。つまり、上空ではその限りではないというわけですが、その話はまた別の機会に。

地上付近の話をしているということは、風は地表面に接触しながら吹いている。地表面に接しているということは、風が吹いている時、風に対して摩擦力が働いている。

転がしたボールが永遠に転がり続けることはなく、いつかは止まりますよね。それもボールに対して摩擦力が働いていることによるものです。

摩擦力のせいでボールが止まるということは、ボールが動いている方向とは逆方向に摩擦力が働いています。風についても同様で、風が吹く方向とは逆方向に摩擦力が働きます。

これで、風が吹くことに影響を与える要因が3つに増えました。

風の原動力となる気圧傾度力が働いて、

気圧傾度力によるまっすぐな風

風の方向を曲げるコリオリ力が働いて、

コリオリ力により右向きに曲がる

風とは逆方向に働く摩擦力が働いて、

摩擦力により低圧側に傾く

この3つが影響しあって地上の風が吹いています。

風が吹く仕組みの全体像【気象予報士への道】

風はどうして吹く?


力学の勉強に突入したということで、ついに風の知識をアップデートできます。苦手な熱力学を先に学習していたため若干のフラストレーションが溜まっていたこともあり、力学に入ってからはモチベーションが段違いに上昇しています。

 

  • 風は等圧線に沿うように吹く。
  • 高気圧から時計回りで吹き出し、低気圧に反時計回りで吹き込んでいく。

私が、天気図に風の流れを描く際に意識していた2点です。実際の風の流れを見てもこれに違うことはなかったと記憶していますし、理科の教科書にもこのように載っています。

それでは、なぜ風はそのように吹くのか?(どちらかというと、風がそのように吹くような定義が等圧線や高気圧・低気圧になされたと言った方がいいのかもしれませんが、今の私の理解度では、鶏が先か卵が先か、みたいな話になるので一旦置いておきます。)

 

なぜ風が吹くのか、という疑問に回答するには、風が吹く影響を与える要因が多すぎて正直まだ必要最低限の知識すらインプットできていません。

なので、風が吹く影響を与える要因を列挙するとしたら。まず初めに挙げられるであろう、気圧傾度力コリオリ力

この2つがどういう影響を与えているのか、つまりどのような役割を担っているのか、というところから話をスタートします。

 

気圧傾度力は風の源になる。コリオリ力は風の方向を変える。

気圧傾度力とは、風が吹く原動力です。そもそもこれがないと風が吹かない。そして、気圧傾度力により吹いている風の方向を変えてしまうのがコリオリ力の働き。

冒頭に挙げた風の2つの特徴は、基本的な説明をするだけなら気圧傾度力コリオリ力で済ませられます。

気圧傾度力

気圧の高い方から低い方に向かって働く力。単位距離あたりの気圧差が大きいほど、気圧傾度力は大きくなります。これは天気図において、等圧線の間隔が狭いところでは風が強いということにリンクしていきます。

コリオリ力

気圧傾度力により、気圧の高い方から低い方に向かってまっすぐに風が吹きます。しかし、その風は北半球では進行方向から右向きに曲がった方向に、南半球では進行方向から左向きに曲がった方向に吹いていると観測されます。

というのも、地球が自転しているため、まっすぐに吹いている風は曲がっているように見えるのです。この、まっすぐな風を曲げている力がコリオリ力です。「見かけの力」とよばれる仮想の力ではありますが、私たちは動いている物体(今の文脈では地球のこと)の上にいるため、この見かけの力が実在しているものとして扱うことができます。

見かけの力として、身近なものは慣性力だと思いますが、電車を想像してみてください。

電車が駅のホームに入って停車しようとします。すると、電車に乗っている人は慣性力を受けて「おっとっと」となります。しかし、ホームに立って電車を待っている人から見ると、なぜか電車に乗っている人が「おっとっと」となっている。

ホームに立っている人からすると何も力は働いていませんが、電車に乗っている人は確かに力を受けています。これが慣性力です。

この見かけの力というものは、確かにその力を受けている人はいるのに、仮想の力と呼ばれており、矛盾をはらんでいるようにも思えますが、コリオリ力もその一つなのです。

とりあえず、風を考えるときにはコリオリ力を用います、ということです。

 

そして、コリオリ力により曲げられる方向は、北半球では進行方向に対して右向き、南半球では進行方向に対して左向きになっています。

これは、地球が自転していることによるものなのですが、言葉でいうより見る方が早いです。wikipediaにいい画像があったのでご覧ください。

左回りに回転する円盤の中心から等速度運動をする玉は、円盤上からは進行方向に対し右向きの力で曲げられたように見える

(credit : wikipedia - "コリオリの力")

上の図ではボールがまっすぐ進んでいるように見えます。ところが、下の図ではボールが進行方向に対して右に曲がっているように見えます。

北半球では進行方向に対して右向きに力がかかる

これを地球に置き換えると、上の図は北極点の側から地球を見ている状況です。北極点から見ると地球は反時計回りに自転しています。風はまっすぐ進んでいます。そして、下の図は地球の北半球に立っている人、すなわち私たちの視点から風を見ている状況です。風は進行方向に対して右に曲がっています。

南半球では進行方向に対して左向きに力がかかる

逆に、南極点の側から地球を見ると、地球は時計回りに自転しています。そのため、この図とは反対方向に回転していることになるので、地球の南半球に立っている人から見ると、風は進行方向に対して左に曲がることになります。

 

日本は北半球にあるので、これ以降は北半球におけるコリオリ力のみ考えます。南半球は左右逆に置き換えればすぐわかるので良しとします。

さて、それでは冒頭に挙げた風の特徴2つを説明していきます。

風は等圧線に沿うように吹く

2019年3月24日18時の実況天気図

本日2019年3月24日18時の実況天気図です。こちらを用いて説明します。とはいってもさすがに複雑すぎるので、白い部分を抽出。

気圧傾度力によるまっすぐな風

気圧傾度力気圧の高い方から低い方に向かってかかるので、風は水色の線のように、等圧線と直角に交わるように高気圧から低気圧に向かって描けます。

コリオリ力により右向きに曲がる

そして、コリオリ力により、進行方向に対して右向きに曲がる。

ということで、等圧線に直角に交わっていた状態から、等圧線に沿うような状態になりました。

高気圧から時計回りで吹き出し、低気圧に反時計回りで吹き込んでいく

さて、コリオリ力によって、風は等圧線に沿って吹くようになりました。ここで一つ意識しておきたいのが、この状態、風が低気圧を左に見ながら吹くようになっている、とも言えることです。

上の画像では、まだ風は低気圧にたどり着けていません。ちゃんと高気圧から出発して低気圧に到着するように線をひいてみましょう。

これまでに得た知識は

  • 気圧傾度力により高圧側から低圧側に風が吹く
  • コリオリ力により等圧線に沿うように風が吹く(このとき、風は低圧側を左に見ながら進む)

この2つです。これらを考えながら高気圧から低気圧まで線を引くと、

実際の風

こんな感じになります。前の画像からだいぶ変わっているように見えますが、守るべき2点はきちんと抑えてあります。

そして、このとき、高気圧からは反時計回りに出ていって、低気圧に時計回りに入り込んでいく形になっています。