低気圧の成長
今日の天気図を見ていて気になったことが1つ。
太平洋の高気圧の左側の等圧線がへこんでいます。
15時の天気図ではその辺りに低気圧が描かれました。
18時の天気図では等圧線の形が大きく変わり、前線を持つ低気圧とこのまま合体しそうな雰囲気。
なぜ新しく低気圧ができたのか
まず、12時時点での風の流れを確認します。
実はこの時点で、赤色の部分において反時計回りに風が収束している(吹き込んでいる)地点がありました。
天気図には描かれていないだけで、実質上の低気圧です。関東地方の雨雲もこの低気圧によるものでした。
実況天気図に描かれるもの=超重要
それではなぜ実況天気図にはこの低気圧は描かれなかったのか?
実際のところはわかりませんが、すべての低気圧や高気圧、前線、等圧線を描くことは不可能だから、ということだと思われます。
天気図に描かれないような小さな低気圧や高気圧はたくさんあって、それゆえ風は複雑怪奇な挙動をします。
しかし、天気図に描かれるのは、その日の天気の全体像を語るにあたっての必要最低限なものだけ。
裏を返すと、わざわざ天気図に描かれているものは非常に重要であるということです。
今日の天気図をもう一度見てみてください。あまり見慣れない点線が描かれています。
天気図において、等圧線は4hPaおきに描かれるのですが、2hPaおきに線を引きたい場合に点線が用いられます。1012hPaと1016hPaとの間にもう1本、1014hPaの等圧線をどうしても引きたかったということです。
これは、等圧線が変な形をしていて、そのために風が反時計回りに吹き込む流れが発生しやすくなっているよ、という天気図作成者の主張なのではないかな、と思いました。
そして、今回は見事、小さな低気圧が天気図に乗るほどの大物に成長したようです。
*天気図は気象庁HPより引用