いろいろな天気図を知ろう
天気図には、地上天気図、850hPa天気図、700hPa天気図、500hPa天気図、300hPa天気図など、様々な種類のものがあります。
それぞれ読み取れる情報が異なり、どれも天気予報に欠かせないものなのですが、この「850hPa」というのはなんなのか。何を区別した呼び名なのか。
地上天気図と高層天気図
hPa(ヘクトパスカル)という単位から、これらは気圧のことなのだろう、と察しがつくでしょう。その通り、850hPa天気図というのは気圧が850hPaである高度を、平面とした天気図のことです。
そして、またまた中学理科を思い出してほしいのですが、高度が高くなるほど気圧は低くなります。
つまり、先ほど挙げた天気図は、地上天気図→850hPa天気図→700hPa天気図→500hPa天気図→300hPa天気図と、だんだん高度が高くなるように並べられていたということです。ゆえに、地上天気図以外のものは、これと対比して高層天気図と呼ばれています。
一般に「天気図」と言われる場合には地上天気図であると考えてよいです。天気予報でもまず初めに表示される天気図はこの地上天気図になります。予報の詳しい説明をする時には高層天気図が用いられることもあるかもしれません。
高度と気圧の関係
ところで、850hPaとはどのくらいの高さの気圧なのか。季節や地域によって差はあるのですが、
850hPa:約1500m(阿蘇山:1506m)
700hPa:約3000m(富士山:3776m)
500hPa:約5500m(キリマンジャロ:5895m)
300hPa:約9000m(エベレスト:8848m)
となっています。
比較として有名どころの山の標高も見てみると、なんとなくイメージがつくのではないでしょうか。
登山家の方たちはこの高さの世界に行くわけですから、高層天気図を見て安全に登れる天気かどうかを判断しています。
地上の天気を高層天気図から読み解く
また、登山をするわけではなくても、高層天気図を見ることでその高度での風の流れや気温を読み取ることができます。そこから得た情報を元に地上の天気予報に落とし込んでいくわけです。
地上で雪が降る目安として「地上で3℃以下」「上空1500mで-6℃」「上空5000mで-30℃」などと聞いたことがないでしょうか。高層天気図からこれらの基準を満たしている時、雪が降るという天気予報を私たちが聞いているのです。