【中学理科】よくわかる天気予報 No.2【寒冷前線】
寒冷前線とは、地上で寒気が暖気に接触している部分をつないだ線のこと。前線付近では積乱雲が発達するため、短時間で強い雨が降り、雷や突風を伴う場合もある。また、前線通過後には気温がグッと下がる。
中学ではこんな感じで習って高校受験に臨んだような気がします。天気予報で「寒冷前線が通過します」と聞くと、明日は天気が悪いんだな、と思う人も多いのではないでしょうか。気象用語の中では台風や低気圧に次いで、認知度の高い言葉であろう寒冷前線。これを例に、「異なる空気がぶつかると天気が悪くなる」理由を説明しようと思います。(「気圧の谷」編の話の流れを汲んだ内容もあるので、読んでいない方は先にそちらをご一読ください。下にリンクを貼っておきます。)
寒冷前線では寒気が暖気にぶつかっている
暖かい空気は軽い。冷たい空気は重い。(詳しくは下の記事参照)
寒冷前線を考えるにあたってもこのルールは適用されます。というか天気について考えるときには常に念頭に置いていてほしいです。
この法則により、暖かい空気にぶつかった冷たい空気は、暖かい空気の下側に潜り込もうとします。そして暖かい空気は上に押しあげられる。つまり上昇気流が発生します。
上昇気流が発生するところには雲ができる
空気には水蒸気が含まれており、その空気の中に存在できる水蒸気の量は決まっています。そしてその量を超えると水蒸気は気体から液体へと姿に変えます。つまり水ですね。水とは言っても、目には見えない程度のとても小さくて軽い水の粒なので空に浮いています。これがたくさん集まることで、雲として私たちが認識できるようになるのです。
雲ができて雨が降る
そして、雲ができると雨が降ります。そうでない雲もあればその通りの雲もあるのですが、寒冷前線で主にできる雲は積乱雲。雨が降る雲の代表格です。
積乱雲は縦に大きい(10km程度に成長するものもある)、いわゆる入道雲です。雲の内部でもバッチバチに静電気が発生しており、雨も強い、雷も落ちる、突風が発生することもある超危険な雲だと言えます。
特にアウトドア(登山、ハイキング、キャンプ、海水浴、マリンスポーツ諸々)好きな方は「危ないとは言っても積乱雲なんてしょっちゅうあるじゃないか」なんて思わずに、しっかりとアンテナを張っておいてもらいたいところです。山岳事故、水難事故は他人事ではありません。
異なる空気がぶつかると天気が悪くなる
異なる空気(暖かい空気と冷たい空気)がぶつかると、天気が悪くなるメカニズムを説明してきました。異なる空気がぶつかる→上昇気流発生→(危険な)雲ができる→天気が悪くなるの流れです。
天気図を見ながら空気の流れを想像していると、「あれ、ここで暖かい空気と冷たい空気がぶつかりそうだな」と思うことがあります。そういう時にこのことを知っていると、明日はこの辺りは雨が降るかも、といった具合になんちゃって天気予報ができるので楽しいです。